舌下免疫療法とは？
舌下免疫療法とは、免疫の過剰反応を軽減してアレルギー反応が起こらないようにする治療方法です。主にスギ花粉症やダニアレルギーに対する治療として行われています。
免疫がアレルゲンを異物と勘違いしないように少しずつ体を慣らし、アレルギーの発症を抑えます。根本的に体質の改善を図ります。
当院での舌下免疫療法について
天王寺・桃谷のじゅんあかちゃんこどもクリニックでは、お子様の年齢や症状、生活環境などを考慮し、舌下免疫療法が適切かどうかを慎重に判断いたします。治療開始前には詳しい説明を行い、ご家族の皆様と相談しながら進めていきます。
治療中も定期的な経過観察を行い、お子様の状態に合わせて適切にフォローアップいたします。舌下免疫療法に関するご質問やご不安な点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
舌下免疫療法のメリットとデメリット
メリット
- 注射が苦手な方でも受けられる
- 自宅で継続できる
- 長期的な効果が期待できる
- 薬の使用量を減らせる可能性がある
- アレルギー体質の改善が期待できる
など
デメリット
- 治療期間が長い（3～5年）
- 毎日の継続が必要
- 即効性はない
- すべてのアレルギーに適用できるわけではない
- 治療費用がかかる（保険適用外の場合がある）
など
舌下免疫療法の流れ
まず、採血でスギ花粉やダニなどのアレルギーかどうか診断します。アレルギーと診断されたら治療の適応となり、舌下免疫療法が開始可能です。
アレルゲンエキスを舌の下に滴下して決められた時間維持し、その後に飲み込んで5分程度うがいや飲食を控えます。この滴下を1日1滴・3～5年かけて行い、徐々にアレルゲンに身体を慣らす治療方法です。
初めて服用する場合は医師の監督下で行いますが、その後トラブルがなければ次からは自宅で実施可能です。1か月に1回の通院で経過観察しながら治療を進めていきます。
治療を始める時期
スギやヒノキの花粉が飛散する前から始める必要があります。スギ花粉症の場合、11月までに治療を始めるのが良いとされています。遅くても1月の初めには開始することをおすすめしています。
ダニアレルギーの場合、特に時期の指定はありません。治療開始時期は、診察時にご相談ください。一般的には6歳ごろから可能です。
期待される治療効果
正しく治療できればアレルギー症状の改善や抑制の効果が期待できます。
スギ花粉の場合は治療開始して次の飛散シーズン、ダニの場合は治療開始から数か月後に効果が出始めると言われており、治療に年単位の時間をかけると最大限の効果が期待されます。
たとえ完全に抑えられなくとも下記のような症状が軽減し、アレルギーを治療する薬を減らせる可能性があります。
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみやなどの改善
- 目のかゆみ、涙目の改善
- アレルギー治療の減薬
- 症状軽減による生活の質の改善
など
治療中の注意点
- 毎日決まった時間に服用する
- 服用後5分間は飲食を控える
- 発熱時や口内炎がある場合は服用を中止し、医師に相談する
- 治療中は定期的な通院が必要
- 副作用の症状に注意し、異常を感じたら速やかに連絡する
など
考えられる副作用
舌下免疫療法では以下のような副作用が起こる可能性があります。当てはまる症状が起こった場合は、すぐに当院までご連絡ください。
- アナフィラキシーショック（投与後30分以内の蕁麻疹、嘔吐、息苦しさ、意識の混濁など）
- 口の中のかゆみ、腫れ、浮腫み、違和感
- 唇の腫れ
- 喉の不快感、刺激
- 耳のかゆみ
など
