熱性痙攣とは?
熱性痙攣とは、生後6か月~5、6歳頃の子供が発熱し、痙攣を起こす病気です。発熱の原因が脳炎や髄膜炎などの中枢神経疾患や代謝疾患ではない場合に「熱性痙攣」という名前で呼ばれます。5~6%の子供に見られる、よくある症状とされています。
一度熱性痙攣をおこした子供の30~50%が繰り返すと言われており、38℃以上の発熱から24時間以内に発症することが多いとされています。
こんな症状はありませんか?
熱性痙攣の症状には以下のようなものがあります。
- 高熱が出た時に起こる
- 5分程度までで治まる
- 体が痙攣する
- 脱力する
- 顔色が悪くなる
- 呼吸が乱れる
- 嘔吐する など
特徴的なのは、「高熱が出た時に起こり、5分以内で治まる」という点です。熱がないのに起こる痙攣は、てんかんなど別の病気が考えられます。
熱性痙攣の原因
子供の脳神経細胞は未熟で、急な体温変化に弱いため熱性痙攣が起こると考えられています。また、遺伝的な要因があることも指摘されています。親や兄弟で熱性痙攣を起こしたことがある人がいる場合は熱性痙攣を起こしやすく、両親に既往歴がある場合の発症頻度は2~3倍程度です。
熱性痙攣の検査
発熱や意識障害の原因となる感染症を調べるために、血液検査やウイルス検査を行うことがあります。
※当院で行っていない検査については、適切な専門機関をご紹介します
- 血液検査…炎症や電解異常、低血糖の有無を調べます
- ウイルス検査…感染の原因となるウイルスを特定します など
また別の病気と見分ける必要があると判断された場合、脳波検査、髄液検査、頭部CTなどの画像検査を行います。
- 脳波検査…てんかんなど、脳の病気を診断します
- 髄液検査…髄膜炎の有無を調べます
- CTやMRIなどの画像検査…脳に出血や腫瘍などがないか調べます など
熱性痙攣の対処法
熱性痙攣が起こった場合、以下を参考にしながら、痙攣が治まるまで様子を見るようにしてください。
- 横向きに寝かせる…吐物や唾液を誤嚥しないようにします
- あごを少し上げた状態にする…呼吸をしやすくします
- 意識が回復するまで、呼吸や顔色の様子を観察する
- 処方されている場合、発熱したら予防薬を使用する など
また、次のような場合は医療機関を受診しましょう。
- 5分以上痙攣が続く
- 30分以上意識が戻らない
- 何度も痙攣を起こす
- 手足が動かせない など
熱性痙攣の治療は解熱で、発熱の原因に応じた対症療法を行います。また、熱性痙攣を繰り返す場合、予防のための坐薬が処方されることがあります。医師の指示に従ったタイミングで使用しましょう。