りんご病とは?
りんご病とは、主にヒトパルボウイルスB19が原因で発症する感染症です。正式には伝染性紅斑という病気ですが、両頬にリンゴのような形をした赤い発疹ができることから別名「りんご病」として広く知られています。
この病気は、特に5歳から12歳頃の子供が感染しやすいと言われていますが、大人も感染することがあります。大人が感染した場合は、頬の紅斑がほとんど見られず、不規則な形をした発疹が全身に現れます。
いずれの年齢で発症しても、一度りんご病にかかると抗体ができるため、再度感染しても症状が出ることはほとんどありません。しかし予防接種がないため、一度も感染したことがない子供や大人は、春から夏の流行する時期に感染する可能性があります。特に妊婦が感染すると胎児へ影響があるため、周囲に感染者がいる妊婦は注意が必要です。
ご自身が感染しないよう、かつ感染を広げないためにも、早期の発見と治療が肝心です。
こんな症状はありませんか?
- 頬にりんごのような形の赤い発疹
- 手足の網目状発疹
- 発熱
- 体のだるさ
- 軽い関節痛 など
りんご病の原因
りんご病は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが赤血球に感染し、血液を介して全身へ広がることで発症する病気です。このウイルスは主に春から夏にかけて流行し、感染者の咳やくしゃみを浴びるほか、唾液がついた物に触れることで人から人へ感染します。
感染後7日から9日ほどの潜伏期間を経て、発熱や風邪症状(だるさ、頭痛、筋肉痛)を発症し、さらに1週間後、両頬や全身の紅斑が現れます。
このように紅斑が現れるまでは風邪症状と間違われやすく、ウイルス感染に気がつくまで時間がかかります。その間に周囲へ感染を広げてしまう可能性が高い病気です。
りんご病の感染力は、風邪症状が現れる初期が最も強いと言われています。流行時期に風邪症状がある場合は、お早めに当院へご連絡してください。
りんご病の検査
りんご病は特徴的な症状があるため主に症状を確認して診断しますが、必要に応じて血液検査を行うこともあります。
血液検査では、ヒトパルボウイルスB19に対する抗体の有無を確認することで、感染の有無を判断できます。
りんご病の治療方法
りんご病は、抗ウイルス薬などの特別な治療がないため自然治癒を目指して対症療法を行います。
薬物療法
喉の痛みや、発熱に対する解熱鎮痛剤などを服用することで、症状のつらさを和らげ回復に必要な体力温存を図ります。その他の症状は軽く、あるいは症状が現れないこともあるので自然に治るのを待つことが多いです。
療養中の過ごし方
すでに頬や全身の赤い発疹が出ている場合は治癒へ向かっていることが多く、元気な様子であれば自宅安静で構いません。日中に外出して紫外線を浴びたり、運動や入浴をしたりすると赤みが増して症状が長引くことがあるので、基本は自宅内で安静に過ごしましょう。
りんご病の感染予防対策
りんご病は風邪症状と間違われやすく、感染に気づくまで時間がかかる病気なので、感染を防ぐことが難しい病気です。
流行する時期は下記を参考にして、早めの感染予防対策を行いましょう。
- マスクを装着する
- 流水石鹸で手洗い、アルコール消毒
- うがい
- 個室で安静に休む
- 人が集まる環境を避けて過ごす
- 日用品や食器を共有しない など
妊婦様は早めの受診が肝心
近くに感染を疑う人や、小さなお子様がいる妊娠中の女性は、りんご病に感染すると胎児水腫や流産のリスクが高まるため注意が必要です。
近くに感染者がいる場合やご自身の感染を疑う症状がある場合も含めて、早めにかかりつけの医療機関を受診しましょう。
登園・登校の再開について
りんご病は、学校保健安全法において第3種学校伝染病に分類されており「学校医やその他の医師が感染を広げる恐れがない状態と判断できるまで出席停止」と定められています。
この指定をもとに、学校によっては独自ルールを定めているところもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
当院は、お子様の病状や回復状況を総合的に判断し、登園や登校再開の目安日をご案内します。
特にりんご病は、感染初期を過ぎると感染力が減少するため、全身状態が良くなれば登園や登校の再開が見込めます。
もし登園や登校再開後の過ごし方について、気がかりなことがありましたらお気軽に天王寺・桃谷のじゅんあかちゃんこどもクリニックへご相談ください。