心電図異常・心雑音とは?
学校検診などで、心電図の異常や心臓の雑音を指摘されることがあります。原因としては、脈が速すぎる、遅すぎるといったものから心臓の形や血液の流れの異常など、生まれつきの心臓の病気です。しかし、指摘された異常の例がすべて病気というわけではありません。
心電図とは、心臓の動きを電気的に記録するものです。子供の場合は小学校、中学校、高等学校で行われる健康診断で、学年によって心電図検査や聴診(心臓の音を聞く)があるほか、問診表を記入して自覚症状の有無を確認します。これらの結果によって、専門の医療機関で詳しい検査を受けるように学校からお知らせがある場合があります。
※より詳細な検査や専門的な治療が必要と判断した場合、適切な専門機関をご紹介いたします
心電図で指摘される異常
心電図で指摘される主な異常として、下記のようなものがあります。
- 心室性期外収縮
- 上室性期外収縮
- 房室ブロック
- WPW症候群
- 不完全右脚ブロック
- ブルガダ症候群
- QT延長/短縮症候群
- 洞不全症候群 など
心雑音の原因
心雑音は、正常な心臓から聞こえる「機能性心雑音」のこともあれば、心臓の血管の狭窄や弁膜症、心臓に穴が開いている心室中隔欠損、胎生期血管が残っている動脈管開存などが原因の「器質性心雑音」のこともあります。
このような心雑音は聴診である程度鑑別が可能ですが、さらに詳しい検査が必要になることが多いです。
心電図異常・雑音の検査
心電図異常・雑音を指摘された場合、精密検査として以下のような検査を行うことがあります。
※当院で行っていない検査については、適切な専門機関をご紹介します
心エコー
超音波(エコー)を体の表面から心臓にあてて、心臓のつくりや動きを画像で表示しリアルタイムで観察する検査です。心臓の大きさ、弁の動き、血流の状態、心臓のポンプ機能などを調べます。
ホルター心電図
小型の携帯式心電計を装着して、24時間心電図を記録する検査です。日常生活の中で心電図の異常が起こったタイミングを見つけるために行います。夜間の異常なども記録できます。
長時間、心電図を記録することで、一般的な心電図ではわからない異常や発作的な不整脈などの発見につながります。
運動負荷心電図
運動中に心臓がどのように働いているかを調べる検査です。トレッドミルやエルゴメーターを使用して、心臓に負荷をかけながら心電図を記録します。
心臓に負担がかかる状況で心臓の血流やリズム、酸素が十分に行き届いているかを評価します。検査中は医師が監視しており、異常があればすぐに対応できる体制で行われます。