アレルギーとは?
人間に備わっている免疫の働きが過剰になって、本来は免疫反応を起こさない物質に対しても「異物」ととらえてしまい、過剰な反応が起こる症状です。小児でもアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症などのアレルギー症状を起こすことがあります。
こんな症状はありませんか?
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりが続く
- 目のかゆみや充血、涙目になる
- 皮膚に湿疹ができたり、かゆみが続く
- 咳が続いたり、息苦しさを感じる
- 食べ物を食べた後に口や喉がかゆくなる
- じんましんが出る
など
アレルギーの原因
アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)は様々です。お子様によく見られるアレルゲンには以下のようなものがあります。
花粉
春や秋に多く飛散する花粉は、季節性のアレルギー症状を引き起こします。スギやヒノキ、ブタクサなどが代表的です。
ハウスダスト
家庭内に存在する細かいほこりのことで、ダニの死骸やフケ、カビの胞子などが含まれます。年中症状が出る通年性アレルギーの原因となります。
食物
卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツなどが代表的な食物アレルゲンです。乳幼児に多く見られますが、成長とともに改善することもあります。
動物
ペットの毛やフケ、唾液などに含まれるタンパク質がアレルゲンとなります。犬や猫が代表的ですが、小動物でも起こることがあります。
薬物
抗生物質や解熱鎮痛剤など、様々な薬でアレルギー反応が起こる可能性があります。重症化する可能性もあるため、注意が必要です。
アレルギーの検査
アレルギー検査では、血液検査やパッチテストによってアレルゲンを特定します。
血液検査
採血して、血液中のアレルゲンに対する抗体の量を調べる検査です。基準値以上の抗体量が確認されると「(その物質に対して)アレルギーがある」と診断できます。検査項目は、食物やダニ、ハウスダストなどのアレルゲンを調べるもので、検査の種類がいくつかあります。
当院では「VIEW39」を実施しています。
VIEW39とは?
VIEW39は、一度の採血で39種類ものアレルゲンに対する特異的IgE抗体を測定できる検査方法です。食物、ダニ、花粉、動物の毛など、日常生活で遭遇する主要なアレルゲンを網羅しており、効率的にアレルギーの原因を特定することが可能です。
従来の検査方法と比べて、少ない採血量で多くの情報が得られるため、特にお子様の検査に適しています。結果は数値で示されるため、アレルギーの程度も把握しやすく、適切な対策や治療方針の立案に役立ちます。
パッチテスト
皮膚にアレルゲンを含んだテープを貼り付けて、アレルギー反応の有無を確認する検査です。金属アレルギーなどを診断する際に使われます。48時間、72時間経過した時に赤みやかゆみが出るかどうか確認します。また、貼り付けてから1週間後に遅発性の反応が出ていないか調べることもあります。
アレルギーの治療方法
アレルギーの治療には、アレルギー症状に対処するための治療、炎症を抑えるための治療、さらに根本的な免疫療法があります。
対症療法
くしゃみやかゆみなどには抗ヒスタミン薬、喘息の際は気管支拡張薬などが使われ、症状を改善します。また、アナフィラキシーなどアレルギー症状が重く出る場合はエピペン®と呼ばれるアドレナリン自己注射薬を用意する場合があります。
漢方薬を処方
漢方薬は体質改善や免疫力の向上に効果があるとされ、アレルギー症状の緩和に役立つ場合があります。例えば、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)はアレルギー性鼻炎に、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)はアトピー性皮膚炎に効果があるとされています。
お子様の体質や症状に合わせて、適切な漢方薬を選択し、飲みやすい形で処方いたします。
炎症を抑える治療
喘息やアトピー性皮膚炎で起こるアレルギー性の炎症に対してステロイド薬を使用することがあります。点鼻薬や吸入薬、塗り薬など、使いたい部位によって形状は異なります。症状が現れる部分にピンポイントで使用され、全身の副作用が少なくなるように工夫されています。
免疫療法
アレルギーの原因となるアレルゲンを少しずつ投与し、免疫によるアレルギー反応を起こしにくくする治療方法です。アレルギーの根治を目指すための唯一の治療方法で、注射もしくは舌下免疫療法で行われます。治療には数年かかるとされ、月に1回の通院が必要です。
当院のアレルギー診療について
天王寺・桃谷のじゅんあかちゃんこどもクリニックでは、お子様のアレルギー症状に対して丁寧な診断と治療を行っています。血液検査やパッチテストなどの検査を通じて、お子様個々の症状に合わせた最適な治療方法をご提案いたします。
またアレルギー症状は長期的な管理が必要なため、定期的な経過観察や生活指導も行っています。アレルギーに関する不安や疑問がありましたら、どんなことでもお気軽にご相談ください。